大動脈の伸展性と左心室機能は密接に関わるが, 持久性運動は動脈伸展性と左心室機能をそれぞれ向上させる. 本研究では持久性アスリートを対象に動脈硬化度の指標であるcfPWVと左心室拡張機能の関係について運動を行っていない対象群と比較検討した. その結果アスリート群は対象群と比較してcfPWVが低く(動脈伸展性が高い), 左心室拡張機能の指標である僧帽弁輪最大運動速度が有意に高い値を示した. さらに, 持久性アスリートにおいてcfPWVと僧帽弁輪最大運動速度の間に有意な負の相関関係が認められ. 一方, 対象群では相関関係が認められなかった. 本研究の結果から持久性アスリートにおいて動脈伸展性が高いほど左心室拡張機能も高いことが示唆された.