中学生に1ヶ月間電子書籍端末を貸与し、一定額の範囲内で自由に電子書籍を購入することができるようにして、読書状況の変化を調べた。結果として、①読書冊数が増加した。②調査対象106人中53人の読書時間が増えた。③読書について肯定的な意識をもつ生徒数には変化がなかった。④電子書籍があると読書生活に変化があると回答した生徒が69人いた。⑤事前調査で読書嫌いの傾向があった生徒について、読書に対する意識、読書時間、読書冊数がやや好転した。また、大学生を対象に、『三四郎』第一章を8つに分割して電子書籍と紙の本で交互に読んで内容の記憶の状態を調べたところ、電子書籍と紙の本に明らかな差異は見られなかった。(201204-201603)