血清脂質と動脈硬化の関係を一般住民を対象に10年間のコホート研究で検証した。血清脂質(LDLコレステロール; LDL-C、HDLコレステロール; HDL-C、トリグリセリド)と動脈硬化指標(baPWV、ABI)を測定し、性別、年齢別に両者の関連性を解析した結果、男女とも60歳未満の年代群でLDL-Cの動脈硬化促進作用が示唆され、その傾向は男性でより顕著であった。したがって、生涯を通じて、特に比較的若い年代から脂質代謝を適正な状態に保つことが動脈硬化の予防のためには重要であることが示唆された。また、HDL-Cの動脈硬化予防効果については相反する結果(動脈硬化に促進的または予防的)が得られた。