本研究では、小学校高学年のベースボール型における攻撃時の状況判断の実態を検討している。検証として、小学校5年生を対象に全 6 時間のベースボール型の授業を実施した。授業中では攻撃をする前に作戦について議論をする時間が設けられており、児童はどこに攻撃をするか、誰をねらうかについて話し合いをした。本研究では、その話し合いの内容を分析した。
結果として、4つの点が明らかとなった。
1)全言語の中で根拠が明確になっていた言語は 17%であった。
2)児童は、守備者の技能や誰が守っているかなどの情報を重視していた。
3)進みたい塁から遠いところをねらうことについては理解できていなかった。
4)児童の状況判断について、単元序盤から高い適切率を示していた
こうした一連の結果は、小学校の体育授業におけるベースボール型における児童の攻撃時の状況判断が、単純に空いているところや人という水準で決定されていることを示すものであったといえる。