本研究の目的は,2014年に第1学年に在籍する児童を対象に鉄棒運動の基礎的な運動教材を段階的 に取り入れた学習プログラムを3年間継続的に実施し,その技能の達成度を検討することである。研究の結果は次の通りである。
①各学年における技能成果を検討した結果,基礎的な技は,70%を超える児童が,第1学年の学習で,達成できたことが明らかになった.さらに,第2学年では,80%を超える児童が技を達成したことから,2年間の継続的な学習によって,より多くの児童が達成できることが明らかになった.
②第1学年の6時間の学習では,複数の技を獲得することは難しく,2年間継続的に学習することで学習成果が保証されることが明らかになった.
③3つの回転技の達成率を検討した結果,前回り下 りと足抜き回りは,基礎的な技の学習と組み合わせて学習することによって,達成に影響がみられることが明らかになった.しかし,逆上がりを達成するためには,本研究で提示した基礎的な技に加え,逆上がりの技術に特化した学習が展開される必要があった.