本研究の目的は,動機づけ雰囲気及び目標志向性が好意的態度に影響を与えるという仮説モデルを設定し,そのモデルの妥当性について検証することである。
本研究は,小学校高学年の903名(男子453名,女子450名)を対象に質問紙調査を行った。モデルの妥当性は多母集団同時分析を用いて検討した。
結果は以下の通りである。
1)この仮説モデルは,動機づけ雰囲気及び目標志向性が好意的態度に影響することを示すものとして妥当であると統計的に証明された。
2)小学生を対象とする場合,動機づけ雰囲気及び目標志向性の影響に性差は見られなかった。
3)熟達雰囲気,協同雰囲気は直接的・間接的に好意的態度に影響を与えた。
4)成績雰囲気は,自我志向性を介して間接的に好意的態度に影響を与えた。