本研究では,小学校6年生を対象として,ネット型攻守一体プレイゲームにおける技能を検証している。具体的には,ボール操作及びボールを持たないときの動きが向上するのか。また,児童にとって難しい技能は何かに着目している。対象は、小学校6年生(n=88),6時間単元を実施した。これらの授業では児童は2種類のダブルスを行った。単元4時間目まではラリーを重視する「つなぎっこゲーム」を行い,5~6時間目は互いのコートをねらって点を競い合う「点取りゲーム」を行った。その試合での技能を分析対象とした。
研究によって以下の2つの結果が得られた。
1 ボール操作及びボールを持たないときの動きが向上していた。とりわけ,「返球」「ベースラインに戻る動き」「返球後に抜ける動き」が向上した。
2 ラリーを続けるために相手コートへ返球することは多くの児童にとっては簡単だが,「ねらったところに打つこと」「ベースラインに戻る動き」「返球後に抜ける動き」等は,簡単ではないことが明らかになった。