本論では、ドイツの教育改革、総合制学校のモデル校としてのラボアシューレ及び同校のスポーツ領域の関係性について論じ、同校の改革志向の理念が、スポーツ領域にどのような影響を与えたのかを分析している。ラボアシューレが開校した背景には、1960年代から70年代にかけて起きたドイツの教育改革の影響が見られており、伝統的な社会層の変革と教育の機会均等を目指す改革教育学者の考えを反映するものであった。こうした教育改革の基本理念は、スポーツ領域にも影響し、脱スポーツ種目志向や身体志向の新たな潮流を生み出す一つの契機となっている。