アリストテレス倫理学における「誇り高さ」と「外的な善」の研究」
上智大学(博士論文)
本論考の目的は、アリストテレス倫理学において「誇り高さ」と「外的な善」がどのような変遷を辿り、いかなる意義を持つようになったのかを明らかにすることであった。一連の考察により、『ニコマコス倫理学』において「誇り高い人」は、「善き人」とも同定されるようになり、自らの完全無欠な徳に基づいて、さまざまな有徳な行為を行う人物として描かれており、まさにその意味において「人間にふさわしい幸福」を享受することができると結論づけた。
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