北米先住民族のBall  raceの構造分析－Ball  raceの構造上の相違と地理的特性との関係を中心に－（査読付）

日本体育大学紀要第27巻第１号

S.Culin（1859-1929年）の調査報告書(GAMES OF THE　NORTH AMERICAN INDIANS,1907)によると、北米先住民族の球戯は10群（グループ）に整理・分類されている。その中でもBall raceは、その出現地域が、北米大陸の南西部(California,Great Basin, Southwestの３地域）に限定されており、その出現（創出）理由については、S.Culinも言及していない。
　本稿は、この北米先住民族のBall raceについて、その構造上の相違と地理的特性との関係を中心に検討を加えたものであり、S.Culinの調査報告書に基づいて、まずBall race（19例）の分布地域（範囲）の追跡調査が行われ、ついで、この19例のBall raceから共通の文化特性が抽出され、そしてその構造（文化特性）上の特徴が地域別（３地域毎）に触れられている。

p.11～p.23