本研究は、北米先住民族の球戯(S.CULIN:“GAMES OF THE NORTH AMERICAN INDIANS",1907の中で報告されている221の部族と10種類の球戯)を対象にして、北米大陸における分布の状況を分布図として纏めるとともに、当該球戯の文化特性の抽出を行い、各球戯の出現(創出)に関する地域特性(地域的相違)について検討しようとするものである。ここでは、1)ボール・ゲーム、2)打球具の形状・材質、3)ボールの形状・材質、といった項目を文化特性として選定し、ついでその対象となる球戯(10種類)の分布図を地域毎(北米大陸の文化領域に倣って12地域に区分)に作成している。抽出された球戯の文化特性に基づいて分布図の検討が行われ、北米先住民族の球戯は、当該地域の地形・気候・風土・生業形態等の生活環境(地域特性)と密接に関連して発生・成立していることが明らかにされている。