本稿は、「平成16年度体育研究所課題研究(日本における生涯スポーツ振興の課題と展望;伝統スポーツ(伝統的遊び)の再考)」の中間報告にあたるものである。本研究は、近代以前の日本の伝統的遊戯や娯楽(祭り)に関する全国的分布の状況を分布図を作成して把握しようとするものである。これは、日本の伝統的遊戯・娯楽(祭り)を対象とした従前の研究が、史・資料の全体把握がなされてこなかったためにその成果も地理的に分断され、しかも時間的連続性を欠くものとなっていたことによるもので、ここではその一環(例)として、大分県地方に伝わる祭礼行事が調査され、その一部が収録されている。
調査は、地方史研究及び民俗学的研究(民俗誌)、ここでは大分県市町村史(誌)を基本資料として進められ、912例の伝統的遊戯や娯楽(祭り)が確認された。