本報告は、「北米先住民族のかんじきの地域類型化」を「スポーツ用具史」という視点から試みようとする時に、整理しておかなければならない事項について纏めたものである。
とりわけ、ここでは①「地域類型化(=文化領域の設定)」に関する問題、②スポーツ史研究における「スポーツ用具史」研究の意義、③「かんじき」についてそれぞれ採り上げている。この方面の研究を進めることによって、最終的に北米先住民族の伝統的スポーツがどのような文化複合を有し、そしてどのような伝播の経路を持つものなのか、を明らかにしていく手掛かりになるものと考えられる。