【研究ノート】スポーツ用具の構造と生業形態－北米住民族の球戯史研究の一視点－

日本体育大学スポーツ史研究会研究成果報告書'2000

近代スポーツとしての球技は、18世紀後半の産業革命を契機に飛躍的な進展を遂げた近代社会に根を下ろし、高度な製造・加工技術の恩恵を享受しながら今日に至っている。そしてその端的な例がゴムボールの性能の進歩である、とも言われている。一方、北米先住民族の球戯の様に前近代的な要素（土着の風習など）と深く切り結んでいるボール・ゲームの場合でも当該民族の生業形態（産業構造）が成立要件として大きく関与しているであろうことが推察される。
　本報告は、こうした視点に立ち、北米先住民族の球戯を眺め返した時、一つの手掛かりとなる資料をこれまでの研究成果の中から提示したものである。

p.65～p.70