日本体育大学の歴史を繙くことは、近代日本の体育・スポーツ史を語ることに通ずると言われるように、日本の近代オリンピック史もまた日本体育大学の歴史とともにあった。
このことについて本稿では、1)日本体育会とIOC(国際オリンピック委員会)との2度にわたる直接間接の接触機会があったことと、2)1928(昭和3)年の第9回アムステルダム大会(夏季)に初めて2人の日体同窓生が出場し、以来、1996(平成8)年の第26回アトランタ大会(同)まで毎回多くの同窓・在学生が選手・役員として派遣され、特に東京オリンピックを契機にその数が急増していったこととが注目されている。
この二点を中心に、日体大と近代オリンピックとの歴史的接点が詳述されている。