スポーツ文化の「クレオール」現象についてアメリカ合衆国で誕生した近代スポーツ(野球、アメリカンフットボール、バレーボール、バスケットボール)を例に挙げながら述べたものである。
いずれのスポーツもアメリカという植民地で多くのヨーロッパからの入植者によって創り出されたヨーロッパ世界のスポーツ、つまりヨーロッパ生まれではないヨーロッパ世界のスポーツ、アメリカ生まれのヨーロッパ世界のスポーツとして捉えることが可能となる。このように考えると、これらのスポーツもまた、西谷修氏(「歴史の終わり」に回帰するもの-クレオールの現在性-:『UP』 '94年10月号)の言う「クレオール」現象を重ね合わせてみることができるのではないかと提起している。