オリンピック競技大会をはじめ全世界的規模の国際スポーツ競技会が今日、数多く開催され、「スポーツ(近代スポーツ)を通じての全世界の一体化(平和)」が賞賛されている一方で、このスポーツによる人間の生命の危機、自然環境の破壊等の問題も同時に看過することのできない事柄となっている。
特に近年のスポーツ史研究やスポーツ人類学研究では、こうした近代(=競技)スポーツとは対称的な位置に存在するとされている民族スポーツ(=前近代的スポーツ)に着目し、ここからスポーツ文化のあるべき姿を模索しようとしている。
本稿もこうした視座に立ち、民族スポーツのひとつに位置づけられるう北米先住民族の球戯を採り上げて、その種類と各球戯の内容(ルール、用具等)について詳述している。