19世紀後半のアメリカ合衆国では産業革命と共に、バレーボールやバスケットボールに代表される近代スポーツとしてのボールゲームが相次いで考案され普及していったわけだが、同時にその一方で、これらのボールゲームとは明らかに性格の異なる前近代的スポーツ(民族スポーツ)としてのボール・ゲームの存在も当時の文化人類学(民族学)の研究誌に多数発表されている。本発表では、これら研究成果の中でS.Culin による“GAMESOF THE NORTH AMERICAN INDIANS,1907"を基本資料にして、そこに描かれている北米先住民族の球戯、特にボールや打球具の構造について説明がされている。