本研究ではレスリング選手を対象にMC−FANを用いて運動生理学的な視点から150分のトレーニングによる短期的で急激な体重の減少が血中の血液速度に及ぼす影響について検討した。その結果、全血通過時間において明らかな変化は認められなかったものの低下する傾向がみられた。また、全血通過時間と血液検査脱水項目との間には相関関係が認められなかった。このことから体重の約2%までの超短期間の急速な発汗による減量は高張性脱水症の可能性が高い。しかし、血管内の循環血液成分の恒常性を保つため、水分が血管に入り込み、血液流動性は変化しない可能性が示唆された。