これまでの研究成果である「運動誘発性神経損傷」に関して、これまでに得られている最新の知見を紹介した総説である。ヒトおよび動物を対象とした基礎的研究によって過度な運動(伸張性収縮)を実施すると、筋のみならず支配神経損傷が誘発されることを見出した。さらに臨床で観察される肉離れにおいても同様の結果が示されたことについて述べた。これらの結果を踏まえ、実際の臨床現場において観察される運動誘発性の筋損傷におけるリハビリテーション等の介入には、支配神経損傷を考慮する必要があることを提案した内容も記述している。