学術論文

基本情報

氏名 黄 仁官
氏名(カナ) ファン インカン
氏名(英語) HWANG Inkwan

名称

大学レスリング選手の年間において出場した試合時にみられる減量状況の実態-簡易的Hbモニタリング装置を用いたコンディショニングの試み-(査読付)

単著・共著の別

共著

発表年月

2017/03

発表雑誌又は発表学会等の名称

日本体育大学紀要 第46巻第2号

概要

これまでレスリング競技選手の短期的急速減量は、循環器機能・免疫機能・内分泌機能・血漿量・タンパク合成能の低下など生体に対して様々な負の影響が報告されてきた。一方、急速減量時の血液流動性を検討した結果、レスリング選手の急速減量は体重の2%前後までは安全である可能性を示唆する報告もみられる。以上、採血による分析は詳細に分析できることから利点もあるが、選手に対する負担やフィードバックという現場的側面で利点に欠けることも事実である。そこで過去我々が検証した簡易的なHb測定装置を用いて、各選手の減量実態を年間において試合ごとに分析し、より現場的なコンディション管理の為の指標となり得るかについて検討を試みた。
対象者は、N体育大学のレスリング競技部に所属する男子選手5名を対象に年間を通じて体重、Hbは毎日、各試合での減量情報、試合結果チェックし、出場した試合ごとの減量状況による体重とHb値の変動との関連を検討した。
対象者5名の選手殆どが出場試合毎に減量や日数に差異がみられ、減量日数も長い程試合成績は低く、逆に成績は良い程減量日数も短い傾向がみられた。尚、試合毎の減量時期では殆どの選手でHb値が低下し、計量直前で低下が激しく、直後は回復傾向がみられたが、回復しない状態で試合に臨んだ選手は好成績を残せなかった試合が多かった。従って、レスリング選手の減量時において簡易的Hbモニタリング装置を用いたコンディション管理は有効性の高い可能性が示唆された。

共著者

黄 仁官、松本慎吾、松本隆太郎、上田 大、久保山和彦

掲載ページ数

p.165 ~p.171