本研究は、第89回東京箱根間往復大学駅伝競走大会(2013箱根駅伝)の最終選抜選手として選ばれた16名を対象に、年間におけるトレーニング内容と、各時期別に血液検査項目である血中RBC、Hb、Ht、Fe濃度及び血清CPK、LDH、GOT、GPT活性の動態を調べ、比較検討したものである。年間における月間別のTotal走行距離についてみると8月、9月は年間において最も走行距離が長く、シーズン前半(2~7月)に比べてシーズン後半(8~12月)の走行距離が長かった。血中のRBC、Hb、Ht、Fe濃度では、いずれも4月と6月のシーズン前半に比べて9月と12月のシーズン後半において有意な低下が認められた。血清CPK、LDH、GOT、GPTの活性は、いずれも4月と6月のシーズン前半に比べて9月と12月のシーズン後半において有意に高い活性値を示した。
以上の結果から、大学男子駅伝ランナーにおける年間のトレーニング内容に関して、強度が比較的低くても長い距離の練習を繰り返す時期では、監督やコーチは選手の身体コンディションに十分考慮を払う必要性が確認された。