本研究は、陸上長距離を専門とする大学駅伝ランナーの内、2009年箱根駅伝に出場した8名を対象に2008年度に開催された実際の10,000m走およびハーフマラソンレースに出場した際のラップタイムやレース記録と、競技直後の血中乳酸濃度を分析し、長距離ランナーにおいてよりハイスピードレースに適した乳酸濃度レベルはどの程度のものなのかについて検討することを目的とした。
以上の結果から、長距離ランナーにおいても競技能力の優れた選手(特に10,000m走や駅伝を専門とするランナー)の場合、競技力をより向上させるためには血中乳酸レベルが高い状態(9mmol/L以上)でハイスピードを維持できる能力の向上が要求されるものと示唆された。