本研究は、東京箱根間往復大学駅伝競争大会(箱根駅伝)の候補選手として選抜されたN大学の駅伝競技を専門とする長距離ランナーの17名を対象に年間を通して血漿CPK活性値の変化を調べるとともに、各時期間の走行距離についても調査し、年間における走行距離とCPK活性値との間にどのような関連がみられるのかについて縦断的に検討することを目的とした。得られた結果は次の通りである。①上位群と下位群の年間における走行距離の変化についてみると、4~5月を除く、いずれの時期においても上位群が下位群に比べて高い走行距離を示すものの、両群間に有意な走行距離の差は認められなかった。②各時期別のCPK活性値の平均値についてみると、上位群ではいずれの時期の間で有意な差は認められなかった。③上位群と下位群における各ランナーの時期別の走行距離とCPK活性値との関係についてみると、上位群では各時期別に走行距離とCPK活性値との間に有意な相関関係は認められなかった。しかし、下位群では、両者間に有意な正の相関関係が認められた。