本研究では線維組成や毛細血管密度、酵素活性などの筋特性が対照的な陸上競技の短距離選手と長距離選手を対象として、膝伸展・屈曲運動における大腿部筋群の活性レベルについて比較し、どちらの筋特性が運動後のT2値の増加とより関連性が強いかについて検討した。主な結果は、1.膝伸展運動の総仕事量においては、CON群とLDR群で差はみられなかったが、T2の変化率は、LDR群は、CON群と比較して25%~64%低い結果であった。2.膝屈曲運動の総仕事量においては、CON群と比較して他の群が28%~57%高い傾向であったが、CON群とLDR群でT2の変化率は同様の傾向であった。以上の結果から、運動によるT2値の増加は、運動条件に加えて陸上長距離選手にみられるような持久的な筋特性も影響することが確認された。