本研究は、レスリング競技のグレコローマンスタイルを専門とする中量級選手を競技レベル高い群と低い群に分類し、グレコローマンスタイルにおいて重要視される「俵返し」のスピードの差異と体力的要素及び筋機能について比較検討したものである。レスリング競技のグレコローマンスタイルでは、俵返し動作の開始時から「跳ね上げ」までのピークスピードを高めることが競技パフォーマンス向上に繋がる一要因であることを確認し、体幹部ではより高速での筋力発揮能力が必要であり、さらに下肢では低速での筋力発揮の向上が競技パフォーマンス向上に繋がるものと示唆された。