本研究では、十種競技を専門とする男子大学選手8名と日本選手権大会の十種競技優勝者1名を対象に最大筋力と最大無酸素性パワーおよびミドル(乳酸性)パワーの測定行い、最大筋力および無酸素性パワー能力が競技パフォーマンスとどのような関連性があるかについて比較検討したものであり、十種競技で1500m走を除く、無酸素的な要素が強い9種目の中でも10秒以内の瞬間的な最大動作で競技が終わる投擲種目ほど最大無酸素性パワーの能力を向上させる必要性があり、最大筋力や最大パワー能力を維持する必要がある走種目と跳躍種目においてはミドル・パワー能力を向上させることが十種競技においてより高い競技パフォーマンスに繋がる可能性があるものと推測される。