本研究では、運動負荷を加えていない正常なラットを用い、単関節筋であるヒラメ筋と二関節筋である大腿直筋を被検筋とし、各筋の起始部・筋腹中央部・停止部の組織化学的差異について検討することを目的とした。
以上の結果、筋線維の比率や筋線維径は単関節筋(ヒラメ筋)と二関節筋(大腿直筋)との間で異なり、特に二関節筋においてはそれぞれの筋の部位別に特有的な比率と大きさを有していることが確認された。従って、骨格筋線維の組織化学的な検討の際には、筋腹中央部やそれに近い部位のみならず、被検筋の収縮特性や単関節筋と二関節筋の違いなどを考慮し、起始部および停止部に対しても検討を加える必要性のあることが示唆された。