本研究は、レスリング競技のFSとGSを専門とする軽量級の選手を対象に競技スタイル及び競技レベル別にみられる筋力発揮特性を明らかにすることを目的として、肘関節、膝関節及び体幹の伸展屈曲筋力において等尺性及び角速度の異なる等速性の筋力発揮を行った。本研究より得られた知見は次の通りである。
1. 等尺性及び等速性の肘関節伸展筋力は競技スタイルに関わらず競技レベルの高い選手が競技レベルの低い選手よりも有意に高かった。
2. 等尺性膝関節屈曲筋力においてはHGSがHFSやLGSよりも有意に高かった。
3. 等尺性膝関節及び体幹伸展筋力は競技レベルに関わらずGSがFSよりも有意に高かった。
本研究の結果から、レスリング競技における上肢伸展筋力の重要性及び競技スタイルに応じた筋力向上プログラ
ムの必要性が示唆された。