本研究は、競技歴（10年前後）が類似する大学女子バドミントン競技選手を対象に、対象者の競技能力を総当たり戦によりランキング化した結果とバドミントン競技で使用頻度が高いショットスキルとの関連性を明確にし、コート内の移動能力を含めた身体能力（筋機能、無・有酸素性）とショットスキルがどのような関連性があるのかを検討した。得られた結果は次の通りである。
1. ランキングポイントとショットスキルポイントでは、クリア及びスマッシュショットとランキングポイントとの間に有意な正の相関が認められた。
2. ランキングポイントと身体能力及びコート内移動能力との関係性では、等速性膝関節伸展筋力の総仕事量とコート内6-FW及び30-Sのいずれもランキングポイントとの間に有意な正の相関が認められた。
3. ショットスキルポイントと身体能力及びコート内移動能力との関係性では、等速性膝関節伸展筋力総仕事量及びWAnT時の平均パワー、コート内6-FW、30-Sのいずれもスマッシュショットとの間に有意な正の相関が認められた。以上の結果、コート内の30-Sのような全身持久力や、下肢の伸展筋力及び筋パワー発揮維持能力の向上は、試合を決定づけるスマッシュショットスキル向上へつながる可能性が示唆された。
