【目的】本研究は、体育大学の女性アスリートを対象に月経周期の差異により骨密度と体組成及び身体能力にどのような影響を及ぼすかについて検討した。【方法】体育大学に所属する各種競技において平均9年前後の競技歴を有する100人の女性アスリートを対象に6ヵ月以上にわたり月経周期を中心にモニタリングを実施し、その中から月経周期が最も長い期間を採用した周期を最長月経周期とし、もう一方を平均月経周期とした。なお、それぞれの周期を3群(月経周期90以上群=以下90日以上群、39日以上90日未満群=39日以上群、39日未満群)に分類し、骨密度(DXA法)及び体組成と身体能力との関連性について検討した。【結果】(1)平均月経周期及び最長月経周期のいずれも90以上群は39日未満群に比べて全身、腰椎及び大腿骨頸部のいずれの骨密度においても有意な低値を示した。さらに、平均月経周期と全部位の骨密度及び最長月経周期と全部位の骨密度との間にいずれも有意な負の相関関係が認められた。(2)体組成及び身体能力では、いずれも39日未満群>39日以上群>90以上群の順に高い値をしました。【結論】月経周期の長期化は、女性アスリートにおける体組成や身体能力の低下と、骨疾患のリスクを高める可能性が示唆された。