持久的トレーニングは、「アスリートの持久的運動能力の向上」だけではなく、「一般人の健康の保持・増進」に有効です。しかし、持久的トレーニングによる好ましい生体適応を裏付けるメカニズムは、完全に解明されているわけではありません。持久的トレーニングによる生体適応の基盤となるメカニズムを理解し、操作することができれば、「より効果的・より効率的なトレーニング処方」の実現が期待できます。分子生物学や細胞生物学の科学技術は、目覚ましいスピードで発展しています。それに伴って、スポーツ科学においても、生命科学のアプローチによる研究が普及してきました。その結果、持久的トレーニングによる生体適応のメカニズムが分子・細胞レベルで紐解かれるようになり、新しい発展可能性が拓かれています。本セミナーでは、持久的トレーニングによる分子・細胞レベルの生体適応(主に骨格筋の適応)に関して、発表者の研究成果も交えながら最先端の知見を紹介します。