(全体概要)
日本子どもを守る会が編集している民間の子ども白書。子どもをめぐる状況の原因究明、問題解決の方向を明らかにするために毎年テーマを設定し、データを利用しながら各問題の実態への接近と展望を提示している。2005年度のテーマは「子どもを大切にする国・しない国 ―戦後60年・日本の子どもたちの今」である。
(担当部分概要)
「特集3 日本は子どもの権利後進国か? ~子どもオンブズ制度からの検討~」
日本は子どもの権利後進国かというテーマについて、子どもオンブズ制度から検討した。まず、世界的に広がる子どもオンブズ制度について概括し、子どもオンブズの特質について説明した。そして、制度を保障する概念として第三者性について言及し、中立性・独立性について解説した。そうした状況を踏まえ、日本における子どもオンブズの進展について現状を述べ、全国に先駆けた川西市における子どもオンブズ制度の運用実態の検証結果から、その先進性を述べ、これをモデルとしながら、市町村レベルで子どもの権利保障制度を構築するとともに、県レベル、国レベルの独立した第三者機関の設置について検討していくことが求められているとまとめた。