近年さまざまな自治体が子ども施策の一環として、条例で子どもの権利擁護機関の設置を進めている。そのなかで、キーワードとなっているのが、「第三者性」である。しかし、第三者性の概念に関する議論はいまだ深まっていない。そこで、本発表では、①第三者性の概念を整理し、②第三者性から導かれる公正の原理について考察し、③子どもオンブズの先駆的事例を手がかりとして、どのようにこれらを担保しているのか法的構造をみることにより明らかにし、今後の子どもオンブズ制度研究における分析枠組みの一方向性を提示することを目的とした。さらに、それらを踏まえ、④特に議論が錯綜している行政からの独立性について、「行政内に設置された事務局からの独立性をどのように担保しているのか」という問題に的を絞り、川西の具体的事例を提示しながら整理した。