Mathilda as the Realization of Repressed Female Voices in Frankenstein(査読付)
日本体育大学『日本体育大学紀要』第50巻
メアリー・シェリーは『フランケンシュタイン』出版の翌年に『マチルダ』を書き始める。父娘間の近親姦的情愛を描いた本作は、その内容故に伝記的或いは精神分析的視点から、このような主題が選択された理由を探究されることが多い。しかし、本論は『フランケンシュタイン』と『マチルダ』の間の連続性に着目し、前作で十分に描けなかった女性の声を描出するものとして『マチルダ』を再考し、近親姦という主題自体は執筆時の状況による付随的なものだったのではないか、と考える。
p. 1073~p. 1081.