日本のサブカルチャーにおける「ゴシック」の流入:その概念的拡張過多の問題
早稲田大学教育学部『学術研究』第57号―英語・英文学編
現代日本において言われている「ゴシック」の起源を辿ると、大まかに文芸、音楽、ファッションの順番で流入してきたことが分かる。そして、その度に元来ゴシック・リバイバルで考えられていた概念から遠ざかった「ゴシック」が生まれてきた。しかし、90年代末からの一部ヴィジュアル系バンドの活動やファッションにおける動向を見ると、再び原義としてのゴシックが孕んでいた問題、つまり、キリスト教的な聖悪というテーマが取りざたされている。
p.45~p.64