さらばウルストンクラフト: 『ロドア』とメアリ・シェリー批評の問題点(査読付)
立教大学文学部英米文学専修『英米文学』第68号
メアリ・シェリーの『ロドア』は出版当時の評判の良さにも関わらず、今日研究成果が著しく少ない。それは、この小説に論じにくい難点があるからだ。その難点とは、作者が『ロドア』を通して母ウルストンクラフトを批判し、メアリ・シェリーを発掘したフェミニズム批評を裏切っているところにある。本論文は、『ロドア』におけるウルストンクラフト批判を考察し、それが『ロドア』評価の難しさとどうつながっているのかを検証する。
p.17~p.34