ペルーヴィア――ヘレン・マライア・ウィリアムズの『ペルー』における女性化されたペルー(査読付)
イギリス・ロマン派研究第43号
リベラルな思想を持ち、奴隷解放論者としても知られるヘレン・マライア・ウィリアムズは、16世紀スペインによるペルーへの残虐な侵略戦争を主題にした長詩『ペルー』を書いた。暴力的なスペイン軍征服者に対し、無辜の民ペルー人、またペルー人の保護に努めてスペインの残虐な支配を批判したスペイン人司祭ラス・カサスには、それぞれ男女のジェンダーが割り振られ、女性性に「感受性」を結びつけることで、残酷な男性原理を纏った侵略者批判をしている。
p.1~p.15