The Plague of The Last Man Killing the Heroism and the Idealism in the Age of Romanticism （査読付）

イギリス・ロマン派学会『イギリス・ロマン派研究』第31号

メアリ・シェリーの『最後の人間』は前後半二つの部分に分けられる。前半はゴドウィンや、彼に心酔したパーシー・ビッシュ・シェリーが抱いていた理想的社会が描かれる。この世界観のもと、パーシーやバイロンを彷彿させる登場人物がロマン主義的な英雄像を提示する。このロマン主義的な理想像や英雄像は、小説後半の疫病の勃発により破壊される。作品の後半は疫病が地球全体に蔓延することによる、ロマン主義的理想像と英雄像の破壊である。

p.25～p.37