『狐』におけるホモセクシュアルな調和とヘテロセクシュアルな介入(査読付)
早稲田大学英語英文学会『英語英文学叢誌』第35号
D. H. ロレンスの「狐」では、バンフォードとマーチというレズビアンカップルのホモソーシャルな空間と、この空間を侵犯する狐、及び狐のイメージを付与されたヘンリーというヘテロセクシュアルな存在との二項対立を主軸としている。レズビアニズムによる結び付きは、新たな生命を生み出せないという意味では不毛であるが、「狐」はレズビアニズム関係によってのみ成立する平穏な生活を描いており、ヘテロセクシュアリティの強制を批判している。
p.69~p.82