音楽的分析によるシェイクスピア解釈の可能性―― HamletとThe Tempestの挿入歌――(査読付)
早稲田大学大学院教育学研究科『早稲田大学大学院教育学研究科紀要 別冊』第12号―2
シェイクスピア劇と音楽とは不可分の関係があるが、両者の関係を論じた文献は少ない。だが、音楽的効果という点からシェイクスピア劇を考察することにより、作品から新たな魅力を引き出すことができる。取り上げる作品は『ハムレット』の劇中歌の「狂乱の歌」、『あらし』の劇中歌の「五尋の深みに」だ。具体的に当時演奏された楽譜と照らし合わせることで、前者からは詩と旋律とが組み合わさって生まれる解釈を引き出し、後者からはシェイクスピア劇の音楽史的位置付けを探る。
p.239~p.249