Walton-Frankenstein-Mariner, the Trilogy (査読付)
早稲田大学英語英文学会『英語英文学叢誌』第34号
『フランケンシュタイン』の中で、コウルリッジの「老水夫行」は批評的に引用されている。老水夫のイメージは「老水夫行」からの直接的な引用や、重層的な語りの構造などを通じて、ウォルトン船長やフランケンシュタインに重ね合わせられることにより、三者が共通したものとして、その危険性が示される。また、『フランケンシュタイン』の科学には中世の錬金術的な野望も働いており、「老水夫行」の中世的な世界観と呼応している。
p.53~p.65