メアリ・シェリーはカノン作家か:メアリ・シェリー研究30年史(査読付)
早稲田大学英語英文学会『英語英文学叢誌』第42号
30年近くに及ぶメアリ・シェリー研究史において、彼女は『フランケンシュタイン』のだけの作家ではなく、包括的視点から研究することが目標とされた。だが、いまだに『フランケンシュタイン』以外の作品は評価が低い。これまでの批評史を批判的に紐解いてみると、そこにはフェミニズム批評のバイアスがあることが分かる。つまり、シェリーの後期作品を特徴付ける保守性がフェミニズム批評からは評価しづらいのである。
p.7~p.20