ジョン・ハーマン・メリヴェール「ペストの死者ーー或るハンガリーの伝説」
『幻想と怪奇12 イギリス女性作家怪談集 メアリー・シェリーにはじまる』(新紀元社)
英文学史上初の吸血鬼を扱った詩と考えられる、ジョン・ハーマン・メリヴェールの詩の翻訳。初出誌に掲載された詩人による序文も含めた本邦初訳。16世紀のハンガリーを舞台に、イギリス人旅行者がこの地を訪れ、町の老人から吸血鬼にまつわる奇妙な事件を聞く。中世趣味の古風な綴りを駆使した原文を踏まえ、旧字旧仮名で翻訳した。イギリスの吸血鬼文学黎明期における、吸血鬼受容の一端が垣間見える貴重な作品。
p.277~p.283.