未来を毀つメアリ・シェリー――ロマン主義文学における廃墟表象の一発展型
早稲田大学文学部英文学会教育学部英語英文学会2007年度合同大会(於早稲田大学)
メアリ・シェリーはそれまでのロマン派詩人が試みることのなかった未来世界の廃墟を描き出した。通常、廃墟は現在から見た過去の遺物であるが、『最後の人間』は未来から見た過去の遺物を描き出した。疫病が世界中を覆い尽くし、主人公一人を残して人類が死に絶えた終末論的世界において、彼が見た廃墟とはいかなるものなのか、またそこに何を感じるのか、メアリ・シェリーがロマン派時代においていかに独自性を持っているのかを明らかにする。