さらばウルストンクラフト:『ロドア』とメアリ・シェリー批評の問題点
イギリス・ロマン派学会第33回全国大会(於成蹊大学)
メアリ・シェリーの『ロドア』は出版当時の評判の良さにも関わらず、今日研究成果が著しく少ない。それは、この小説に論じにくい難点があるからだ。その難点とは、作者が『ロドア』を通して母ウルストンクラフトを批判し、メアリ・シェリーを発掘したフェミニズム批評を裏切っているところにある。本発表は、『ロドア』におけるウルストンクラフト批判を考察し、それが『ロドア』評価の難しさとどうつながっているのかを検証する。