『夢』における “bower” の表象:メアリー・シェリー流『聖アグネスの前夜』
日本英文学会関東支部第2回大会(於慶應義塾大学)
メアリー・シェリーを同時代のロマン主義文学者と比較して論じた研究の中で、キーツとの関連性を探るものは極めて少ない。だが、この時代の文芸思潮におけるメアリーの位置付けを探る場合、キーツをその射程から外すことはできない。本発表ではキーツの「聖アグネス祭の前夜」と、メアリーの短編小説「夢」とを、女性の私室、及び木陰を意味する “bower”を通した性的表象としての 文学という観点から考察し、男性ロマン主義詩人達に対するメアリーの立場を考察する。