本研究は、カービングスキーを用いたターン動作の客観的データ(動作分析)を取得することを目的とした。カービングスキーの出現に伴いスキーの滑走技術に変化が生じている。しかしながらその指導法についてはいまだ確立されておらず、指導の現場では様々な方法が試されているのが現状である。これらを確立させる方法の一つとして、パラレルターン(PT)のみならずその練習段階の技術となるプルークボーゲン(PB)やプルークターン(PK)を分析し、それぞれの動きを理解することが重要なことであると考えられる。本研究では、PT、PB、PKの動作を分析することで技術的な関連性を理解し、今後の指導に役立てることに注目した。
各レベル別のPTの動作分析より、Top view(雪面に対し垂直方向)からみた両スキーの向き、移動経路を見ると、PTの場合ターン外脚の板に内脚の板の向きが揃うように動くという特徴がみられる。これらの動きはPB、PKにおいても観察することができ、3つの滑りは動作学的に共通な動きであることが示唆された。