本研究では、大友ほか(2002)の報告以降の10年間の体育科教育学分野の英文学術誌における体育科教師教育研究の論文の研究方法の動向を明らかにすることを目的とした。そのため、SPORTDiscusTM with Full Textを用いた。論文データベースから、タイトル、キーワー,要約のいずれかに「teacher development」または「teacher learning」,または「teacher education」が含まれ,一定の基準に即してかつ英語の抄録が掲載されている文献を抽出した。また、すべての選定基準を満たした102編を分析対象とした。質的データ収集データの分析に際しては、Byra and Karp (2000)と同じカテゴリーを用いた。その結果、質的データを用いる研究が、近年の体育科教育学分野の英文学術誌の教師教育研究の主要な研究方法となっていたことが確認できた。また、研究の対象者に関しては、体育を専門としない小学校教師や初等教員養成課程の学生の体育授業実践については、国際的な関心が払われてきたものの,近年でも対象とした論文が少ない傾向がみられた。