学術論文

基本情報

氏名 杉田 正明
氏名(カナ) スギタ マサアキ
氏名(英語) SUGITA Masaaki

名称

Effect of 8-week intake of the omega-3 fatty acid-rich perilla oil on the gut function and as a fuel source for female athletes: A randomised trial.(査読付)

単著・共著の別

共著

発表年月

2022/06

発表雑誌又は発表学会等の名称

British Journal of Nutrition

概要

これまでのオメガ3脂肪酸の摂取による影響についての検討は、サプリメントやフィッシュオイルカプセルでのオメガ3脂肪酸摂取の効果を検討した研究は見受けられるが、食品を用いた研究はほとんど見当たらない。えごま油は、オメガ3脂肪酸を豊富に含む日本の伝統的な種子油である。
本研究は、よくトレーニングされたアスリートの腸の機能や細菌叢を改善するために、えごま油の摂取による適切なオメガ3脂肪酸摂取量と、高強度トレーニングに取り組むアスリートのエネルギー源となる脂肪酸必要量を明らかにすることを目的とした。
週6回のトレーニングを行う女性アスリート36名を、えごま油の摂取量に応じて、9g/日(HOI)群、3g/日(LOI)群、プラセボ補給(PLA)群にランダムに分けた。HOI群とLOI群にはえごま油含有ゼリー、PLA群にはプラセボゼリーを8週間摂取させた。
腸内細菌叢、便秘スコア、尿中生化学指標を介入前後で測定した。HOI群では、腐敗菌であるProteobacteriaが有意に減少し(P = 0.036, d = 0.53)、酪酸産生菌であるLachnospiraceaeが有意に増加した(P = 0.007, d = 1.2).尿中インドキシル硫酸はHOI群のみ有意に減少した(P=0.010, d=0.82)。 便秘スコアの変化はHOI群で有意に低かった(P = 0.020, d = 0.82)。便秘スコアの変化はPLA群に比べ、HOI群(P = 0.020)、LOI群(P = 0.073)で有意に低く、LOI群ではさらに低くなった。PLA群に比べLOI群ではさらに低く、群間で有意差がみられた(P =0.035). 
以上の結果から、えごま油の摂取は、アスリートの腸の機能や腸内細菌叢を改善する可能性が示唆され、より高容量の摂取によりさらなる改善が期待される。

共著者

Aki Kawamura, Ken Nemoto and Masaaki Sugita

掲載ページ数

British Journal of Nutrition16;1-11, 2022